コラム

ティミーメイク

2013.12.20

神経内科 講師 松村美由起

 女性にとってお化粧は、装いとして“こうありたい”と思う自分をデザインする一つの方法ではないでしょうか。成人医学センターでは、12月よりプロのメイクアップアーティストによるメイクアップを始めることと致しました。 担当はティミー西村先生です。ティミー先生のメイクですから“ティミーメイク”としました。本年4月に開設したアンチエイジング?美容医療外来に始まり、このメイクアップが始まることで、成人医学センターで取り組み始めた医療と美容のコラボレーションの完成となります。

 病院でメイク?と思われる方がいらっしゃるかと思います。でも私達は、美容は医療にとってとても重要であると考え、新たな取り組みを始めたのです。女性であれば経験のあることですが、気力がない時はお化粧をする意欲も出てきません。反対にお化粧をすることで外に向く気持ちが湧いてくることもあります。つまり、健康な毎日においてもお化粧は無意識のうちに私達女性の心と体に影響を及ぼしていることが分かります。

 お化粧の効果を客観的に評価することはなかなか難しいことですが、健常者での効果として積極性の向上、リラクゼーション、気分の高揚などが知られていますし、精神疾患においても感情の安定性などの効果が報告されています。
体に対する効果として、メイクをすることで、ストレスに関係する物質であるコルチゾールが低下し、リラックスした時に増加するとされるDHEA/コルチゾール比が高くなることが報告されており、メイクアップにはストレス解消とリラクゼーション効果があるとされています(図1,2)。また、老化を促進する過酸化水素の分解を触媒する酵素であるカタラーゼや、同じく老化を促進するスーパーオキシドを酸素と過酸化水素に不均一化する反応を触媒する酵素であるSODがメイク後に増加するとも報告され、メイクアップの生体防御機能亢進効果も示されています(図3,4)。メイクアップにはストレス解消と、生体防御機能活性化の働きがあることが分かります。

 この効果は、病と闘う方々にこそ必要だと思うのです。メイクアップをすることで、自分の気づかない魅力に出会い、日々を生き生きと過ごし、体の中では生体防御機能が亢進するとしたら…こんなに良いことはないのではないでしょうか。ティミーメイクはあなたの気づかない魅力を存分に引き出し、生きる活力、病と闘う力を与えてくれるはずです。
さあ、あなたもティミーメイクで内なる魅力に出会い、湧き出る魂の息吹を感じませんか。