Renal pelvis ureter cancer
腎臓で作られた尿は腎盂、尿管をとおり膀胱に貯められます。腎盂、尿管、膀胱とも移行上皮という粘膜があり、煙草などの発がん誘発因子により移行上皮がんが発生することがあります。
腎盂尿管の粘膜より発生するがんが腎盂尿管がんです。腎盂尿管がんが発生した方の20%に膀胱がんが発生するといわれています。
最も多い症状は無痛性の肉眼的血尿です。腫瘍により尿管が徐々に閉塞した際、水腎症を呈し発見されることもあります。
血尿や尿中がん細胞の有無を調べます。
がんにより尿の通過経路が閉塞されると水腎症という状態になり、超音波により診断できます。
静脈より造影剤を注射する排泄性尿路造影検査では、病変の部位や水腎症の程度を、また膀胱鏡を行い尿管にカテーテルを挿入する逆行性腎盂造影検査では、病変の広がりやがん細胞の有無を調べることができます。
血尿、水腎症を生じる結石との区別に有用です。病期の進行度を調べることにも有用です。
尿道、膀胱を経由して尿管の中を直接カメラで見る方法です。肉眼的に腫瘍を確認することや組織検査を行うことができます。下半身の麻酔(腰椎麻酔)で検査を行うため入院が必要です。
外科的治療が主体となり、膀胱の一部を含めて腎、尿管を摘出します。
腹部を切開する方法(開放手術)と腹腔鏡下手術を併用する方法があります。腎臓は内視鏡を用いて切除し、下腹部の小さな傷より腎臓、尿管、膀胱の一部を取り出す内視鏡手術は、術後の回復が早いという利点があります。
当科ではリンパ節郭清(リンパ節の掃除)をしっかり行う方が手術後の再発が少ないことを報告しており、現在世界的にも受け入れられてきています。リンパ節郭清をしっかり行うために開腹手術で行う事が多いです。
術後1週間程度必要です。
腎機能が正常な方で片方の腎を摘出することにより透析になりやすいということはありません。