Research theme
当研究室では免疫抑制剤の内服を必要としない臓器移植法の開発に取り組んでいます。
この夢のような治療は「免疫寛容誘導法」と呼ばれ、古くから研究され、近年米国で臨床試験も開始されてはいますが、未だ有効な方法は確立していません。当研究室では理化学研究所との共同研究で、NKT細胞を活性化させることにより免疫寛容を誘導する新しい方法を発見しました。この新規免疫寛容誘導法の導入により、従来報告されてきた方法と比べて極めて簡単に、かつ安全に免疫寛容の誘導が可能となることが期待されます。大学院研究期間中にはこの免疫寛容誘導の実験モデル解析を通して、マウス骨髄移植、皮膚移植、心臓移植などの手技やリンパ球in vitro試験、FACS scanやqPCR法などの解析手法、遺伝子改変マウスの取り扱いなどを習熟できます。また、この他にも小動物高感差移植モデルを用いた新しい脱感差療法の開発などに取り組んでいます。
さらに、当研究室はサルを用いた腎移植モデルを確立しており、東京理科大学、日大獣医学部、シミックバイオリサーチセンターと共同で大動物での免疫寛容誘導研究にも取り組んでいます。最終的には国内初のヒトでの中枢性免疫寛容誘導の臨床応用を目指しています。
腫瘍に対する放射線療法は泌尿器癌のみならず、あらゆる悪性腫瘍に有効です。
当研究室では東京理科大学にて開発された新規放射線感受性増感剤を用いて、前立腺癌、腎癌、尿路上皮癌の放射線治療成績の向上を目指す研究を行っています。研究を通して腫瘍細胞の培養、ヌードマウスを用いたin vivo解析と腫瘍切片の病理標本作製などを学ぶことができます。本研究の成果から、泌尿器癌の新しい放射線療法を確立するための基盤形成が計画されています。
当研究室では、東京女子医大泌尿器科で実施されている豊富な腎移植症例から得られる数多くの移植腎生検データを元に、移植腎拒絶の病態解明や新しい評価基準の提唱を行ってきました。移植腎病理に精通した病理医と行われる腎病理症例検討会に参加することで、移植腎病理の知識と診断力を身に付けます。
さらに腎病理室のサポートのもと自ら標本の免疫染色などを行うことで、新しい病理学的所見を発見、報告することを目指します。
当研究室では最新鋭の抗体検出機器であるLuminex©をはじめとした、数多くの先端機器を保有しており、統合的なデータ管理を行っています。特に抗ドナー抗体の測定に関しては常に最先端の技術を取り入れることで、国内の移植免疫検査をリードしてきました。これらの最新鋭検査で新たに得られたデータを報告する他、豊富な患者検体を各自のアイデアで解析し、独創的な研究を行うことも可能です。
この他、泌尿器癌に対する自己γδ型Tリンパ球を用いた治療法の研究(輸血部との共同研究)、 シート工学を応用した尿路上皮の再生および再生上皮を用いた膀胱拡大術の研究(先端生命医科学研究所との共同研究)などでも実績を挙げています。
月曜日 | 各分野の研究 |
---|---|
火曜日 | 各分野の研究、データミーティング |
水曜日 | 各分野の研究 |
木曜日 | 腎移植臨床カンファレンスへの参加、Journal Club(最新の英語論文読み合わせ)、各分野の研究、データミーティング |
金曜日 | 実験カンファレンス、移植腎病理検討会への参加、各分野の研究 |
土曜日 | 各分野の研究 |
※それぞれの専攻分野によってスケジュールは変更することがあります。
その他多くの学会に毎年多数の演題を発表しています。