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2010年の入院児の統計を表に示す。NICU入院児の多くは院内出生児で163名であった。本年の院外からの入院例は24名であり、比較的病床に余裕を持つことができた。これらのNICU入院児187名とは別に、176名の児がGCUに入院となった。これらは出生体重が1500g以上で、集中治療は必要ないが、ハイリスク新生児として管理を必要とした児であった。同時期の全出生数が824名であったことを考えると、母子総合医療センターとして多くのハイリスク妊婦を管理していることが示された。
さらに、新生児部門では、母子同室児の管理も実施しており、NICUあるいはGCU入院児以外にも約450名の新生児の出生後の管理を行った。母子総合医療センターとしての総出生数は近年増加傾向にあり、当然母子同室児も増える見込みである。
また、本年度末に発生した東日本大震災時には、東北地方からのハイリスク妊婦の受け入れをおこなった。宮城県、福島県、茨城県からの入院依頼を引き受けたが、津波と放射能による災害が主となる従来の地震とは異なる状況であったため、周産期医療が必要な患者の被災地からの受け入れ要請は予測より少数であった。今後大震災は、東京都の分娩数にも影響を与えると考えられるが、次年度の統計によりそれは明らかになると考える。
新生児部門の研究テーマとしては、心臓超音波検査による晩期循環不全時の新生児心機能解析、早産児の副腎皮質機能、早産児のビフィズス菌投与を含めた栄養方法の確立、早産児のNa代謝と生活習慣病の因果関係解析、慢性肺疾患動物モデルでの基礎実験、無接触型の心拍呼吸モニタ、新生児高インスリン血症の病態解明等があり、同時進行形式で実施されている。特に、慢性肺疾患のモデルは本学解剖学教室との共同研究で、研究成果が挙がっている。スタッフとしては、楠田 聡、内山 温、中西秀彦、戸津五月、増本健一、鷲尾洋介、青柳裕之に加え、今井 憲が後期研修医として診療に加わった。さらに、島根医科大学小児科から1年間の研修として柴田直昭が文科省の人材育成事業の一環として研修を行った。また従来からの、八千代医療センター近藤 乾先生、東医療センターの長谷川久弥先生、帝京大学の星 順先生、自治医大の高橋尚人先生、愛育病院の加部一彦先生、聖母病院の猪野雅孝先生と連携を継続している。
NICU入院数(2010年4月1日~2011年3月31日) | |||||
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出生体重 | 院 内 | (母体搬送) | 院 外 | 呼吸管理 | 死亡退院 |
-499g | 2 | 2 | 0 | 2 | 1 |
500-999g | 20 | 13 | 2 | 20 | 2 |
1000-1499g | 23 | 13 | 1 | 12 | 2 |
1500-1999g | 34 | 16 | 5 | 14 | 1 |
2000-2499g | 45 | 7 | 4 | 13 | 0 |
2500g- | 39 | 4 | 13 | 14 | 0 |