脊椎グループ

土肥 透 (どいとおる)講師

土肥 透 (どいとおる)
卒業年と卒業大学
2004年 信州大学
専門医などの資格
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本脊椎脊髄病学会認定指導医
専門領域と主な術式
  • 脊椎脊髄外科
  • 脊椎内視鏡手術
ひとこと
丁寧な診察とご説明、患者さん目線の医療を提供できるようよう心がけており、特に脊椎内視鏡手術など体の負担の少ない手術の経験が豊富です。
手足のしびれや、痛み、動かしづらさなど脊椎疾患でお困りの場合は是非ご相談ください。

井上知久(いのうえともひさ)

井上知久(いのうえともひさ)
卒業年と卒業大学
2007年 九州大学
専門医などの資格
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
専門領域と主な術式
  • 脊椎脊髄外科
ひとこと
患者さんが私に何を伝えたいと思っているのかをよく考えながら問診し、患者さんにとって本当に必要な検査をするために詳細な身体診察を行い、検査の結果および最終的な診断、治療方針、今後の展望などを患者さんが納得できるまで十分に説明することを心掛けて、日々の診療を行っております。

菅谷潤(すがやじゅん)

菅谷潤
卒業年と卒業大学
2012年 浜松医科大学
専門医などの資格
  • 日本整形外科学会専門医
専門領域と主な術式
  • 骨軟部腫瘍、転移性骨軟部腫瘍
ひとこと
骨や軟部にできた悪性腫瘍を肉腫といいますが、内臓器にできる癌よりもとても希少なため専門医療機関は多くありません。 当施設では、全国の各施設と協力しながら肉腫治療や研究を行いながら、より機能を重視した治療を提供できるよう診療を行なっております。 また、キャンサーボードという癌治療に関して院内多職種で集学的に議論を行い、他の癌腫での転移性病変などについても治療法や日常動作の獲得に向けた治療にも積極的に協力しております。

大和志匡(やまとゆきまさ)

大和志匡(やまとゆきまさ)
卒業年と卒業大学
2012年 群馬大学
専門医などの資格
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
  • 日本専門医機構脊椎脊髄外科専門医
  • 日本脊椎脊髄病学会認定指導医
  • 日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術?技術認定医-2種
専門領域と主な術式
  • 脊椎脊髄外科
  • 脊椎内視鏡手術
ひとこと
脊椎内視鏡手術を専門にしています。患者さんへの負担が少ない治療を心がけています。

診療概要

東京女子医科大学整形外科の脊椎?脊髄グループはこれまでに頚椎に対する片開き式椎弓形成術、Magerl and Brooks法による環軸関節固定術等のオリジナルの術式を考案し、日本の脊椎、脊髄外科をリードしてきました。また透析脊椎症、リウマチ脊椎症等の重度破壊性脊椎障害の治療に対しても積極的に取り組み、良好な成績を収めてきました。近年では、日本でまだ導入している施設が少ないO-armナビゲーションをいち早く導入しました。このシステムにより、正確な脊椎インプラント挿入による難治性脊椎障害の治療も安全に行えるようになりました。また内視鏡下手術や最小侵襲手術も積極的にとり入れています。

当科で行う手術の代表例

O-armナビゲーション下手術

術中CTとナビゲーションをリンクさせた手術で、CT画面を見ながらインプラントを設置でき、従来のイメージ下、またはフリーハンド手術より安全に手術が行える。

O-armセッティングイメージ
O-armセッティングイメージ
O-armナビゲーション画面
ナビゲーション画面

O-armナビゲーション使用症例

症例1

長期透析に伴う頚椎破壊性脊椎関節症の症例に対してO-armナビゲーションを用いて後頭骨から第2胸椎まで固定。このような難治例に対しても正確にインプラントの設置が可能。

O-armナビゲーション使用症例1_1 O-armナビゲーション使用症例1_2
症例2

頚椎後弯に伴う前方注視障害の症例。骨性に椎体間が癒合した頚椎後弯の症例で後方、前方、後方の矯正骨切り術を施行した。前方の椎体間解離、後方の骨切り、椎弓根スクリュー挿入にO-armナビゲーションを使用した。

O-armナビゲーション使用症例1_1 O-armナビゲーション使用症例1_2

2.OLIF(オーリフ)

OLIFとはOblique Lumbar Interbody Fusionの略で、側腹部に約5cmの皮膚切開を行い、腰椎の斜め前方から進入し椎体間にケージを挿入する手技です。利点は椎体間に前方から大きなケージが挿入できるため、より大きな矯正が可能で、出血量が少ないことです。当院では主に成人脊柱変形の手術にこの手技を用いています。この手技にもO-armナビゲーションを取り入れ、より安全、正確にインプラント設置をしています。

OLIF

OLIF施行症例

症例1

腰椎後側弯による腰痛に対して第2から第5腰椎椎体間のOLIF及び第10胸椎から腸骨までの固定を施行した。

OLIF施行症例1_1 OLIF施行症例1_2
O-armナビゲーション使用したOLIF
OLIF施行症例1_術後
術後腰椎アライメントが改善し、腰痛は軽減した。

3.MISt

MISt (ミスト)とはMinimally Invasive spine Stabilizationの略で最小侵襲脊椎安定術を意味します。本手術は従来であれば大きな創で設置していたインプラントを、小さい皮膚切開で設置する新しい方法です。術中、術後出血量が少なく術後早期のリハビリが可能です。

MISt施行例

第2、3腰椎間の化膿性脊椎炎による骨欠損に対して腰椎前方から病巣掻把、骨移植を行い、後方はMIStの手技を用いて第12胸椎から第5腰椎までの固定術を施行した。MIStにもO-armナビゲーションを使用した。

MISt症例 MISt症例

4.内視鏡下脊椎手術(内視鏡下椎間板摘出術、内視鏡下椎弓切除術)

内視鏡下脊椎手術

傷口は10mm前後で、2~5泊の入院の見込みです。従来の椎間板摘出術や椎弓切除術と異なり、 背中の筋肉を大きく切る必要がないため術後の痛みや感染のリスクが少なく、 入院期間が短いのが特徴です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対して行われる手術です。

5.経皮的椎体形成術(BKP:Balloon Kyphoplasty)

本手技は主に脊椎圧迫骨折で骨癒合が得られなかった症例に行う手技で、低侵襲に行え、かつ骨折に伴う痛みも早期に改善されます。手術は全身麻酔下に約5㎜の皮膚切開を2か所作り、特殊な医療機器で折れた椎体をセメント固定します。低侵襲手術のため早期社会復帰が可能です。

経皮的椎体形成術

BKP施行例

第12胸椎椎体骨折後偽関節に対してBKP施行。術翌日には痛みが軽減した。

経皮的椎体形成術施行例

業績

  • Surgical Results of Intraoperative C-arm Fluoroscopy versus O-arm in Transarticular Screw Fixation for Atlantoaxial Instability.
    Wada K, Inoue T, Hagiwara K, Tamaki R, Okazaki K.
    World Neurosurg. 2020 Apr 24.
  • Cervical Pedicle Screw Insertion Using O-arm-based 3D Navigation: Technical Advancement to Improve Accuracy of Screws.
    Wada K, Tamaki R, Inoue T, Hagiwara K, Okazaki K.
    World Neurosurg. 2020 Apr 6.
  • Incidence of Remote Cerebellar Hemorrhage in Patients with a Dural Tear during Spinal Surgery: A Retrospective Observational Analysis.
    Numaguchi D, Wada K, Yui M, Tamaki R,Okazaki K
    Spine Surgery and Related Research 2019, 3 (2): 141-145
  • Atlantoaxial Fixation in a Patient with Bilateral Persistent First Intersegmental Vertebral Artery Anomaly Using an O-arm Navigation System: A Case Report.
    Kashiro H,Wada K,Yui M,Tamaki R,Numaguchi D,Hagiwara K, Okazaki K
    Spine Surgery and Related Research 2019, 3 (2): 196-198
  • C1 lateral mass screw insertion caudally from C2 nerve root - An alternate method for insertion of C1 screws: A technical note and preliminary clinical results.
    Wada K, Tamaki R, Yui M, Numaguchi D, Murata Y.
    J Orthop Sci. 2017 Mar;22(2):213-217.
  • Spinal surgery following renal transplantation.
    Wada K, Murata Y, Kanaya K, Kato Y.
    J Orthop Sci. 2016 Mar;21(2):128-32.
  • Surgical Outcome for Hemodialysis-Related Upper Cervical Lesions.
    Wada K, Murata Y, Kato Y.
    Asian Spine J. 2015 Oct;9(5):699-704.
  • Surgical Treatment for Atlanto-Occipital Subluxation due to Destructive Spondyloarthropathy in a Patient Undergoing Long-Term Hemodialysis.
    Wada K, Murata Y, Kato Y.
    Asian Spine J. 2015 Aug;9(4):621-4.
  • L5 Radiculopathy due to Foraminal Stenosis Accompanied With Vacuum Phenomena of the L5/S Disc on Radiography Images in Extension Position.
    Murata Y, Kanaya K, Wada H, Wada K, Shiba M, Hatta S, Kato Y.
    Spine (Phila Pa 1976). 2015 Dec;40(23):1831-5.
  • Pycnodysostosis with Multi-Segmental Spinal Canal Stenosis due to Ossification of the Yellow Ligament.
    Wada K, Kanaya K, Murata Y, Kato Y.
    Asian Spine J. 2015 Apr;9(2):286-9.
  • Differential diagnosis of tumoral lesions in the spinal canal in patients undergoing hemodialysis.
    Wada K, Murata Y, Kanaya K, Kato Y.
    Asian Spine J. 2015 Apr;9(2):194-9.
  • Reduction of caudal traction force using dural sac opening rather than spinal cord detethering for tethered cord syndrome caused by lipomyelomeningocele: a case report.
    Murata Y, Kanaya K, Wada H, Wada K, Shiba M, Kato Y.
    Spine J. 2014 Oct 1;14(10):e1-3.
  • Low parathyroid hormone levels in patients who underwent/would undergo hemodialysis result in bone graft failure after posterolateral fusion.
    Kanaya K, Kato Y, Murata Y, Wada H, Wada K, Shimamoto S, Shiba M, Hatta S.
    Spine (Phila Pa 1976). 2014 Feb 15;39(4):327-31.
  • Clinical outcome of percutaneous drainage for spondylodiscitis.
    Murata Y, Kanaya K, Wada H, Wada K, Shiba M, Hatta S, Kato K, Kato Y.
    J Neurol Surg A Cent Eur Neurosurg. 2014 Jan;75(1):7-11.
  • Adjacent segment disease following C3-C7 en block laminoplasty and long-term follow-up of surgical treatment by T1-T3 laminoplasty.
    Wada K, Hatta S, Murata Y, Kato Y.
    J Orthop Sci. 2014 May;19(3):511-4.