特徴
消化器内視鏡科は、主に内視鏡による消化管(食道、胃十二指腸、小腸、大腸)の診断と治療を担当しています。
対象疾患
取り扱う対象として、まずは悪性腫瘍があげられます。胃癌は死亡率が低下していますが、依然として罹患者数は1位を占め、食事の欧米化やアルコール摂取量の増加などにより、食道癌や大腸癌は増加傾向にあります。その他にも胃十二指腸潰瘍やHelicobacter pylori関連疾患、大腸憩室をはじめとする消化管出血、食道胃静脈瘤、炎症性腸疾患など日常診療で常に遭遇する疾患を多数含んでいます。
検査と治療
昨今の消化器内視鏡領域の進歩は目覚ましく、病理組織像に迫る画像強調観察(image-enhanced endoscopy:IEE)や外科手術さながらの内視鏡的粘膜下層剝離術(endosocopic submucosal dissection:ESD)が当然のように行われています。当院でも、拡大観察や狭帯域光観察(narrow band imaging:NBI)など最新機器を導入し、病変の早期発見と的確な治療を行っています。また、高齢者や全身合併症を有する患者も多く、治療の適応については安全を最優先し、慎重に検討することを心がけています。
診療実績
当院の消化器内視鏡診療は中央検査部内視鏡検査室で行っており、消化器内視鏡科および消化器内科、消化器外科、第二外科の医師が連携し診療を行っています。2010年の検査件数は上部消化管内視鏡検査11,000例、下部消化管内視鏡検査5,800例、ほか超音波内視鏡検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影、小腸内視鏡検査(カプセル内視鏡を含む)も多数行っています。そのうち、治療内視鏡として、食道?胃癌に対する内視鏡的切除120例、大腸腫瘍(ポリープ、癌)切除800例、胆膵系治療(乳頭切開、ドレナージ、ステントなど)300例のほか、食道胃静脈瘤治療、胆道結石採石術などを行っています。