東京女子医科大学血液内科での研究について
血液内科学教室では、血液疾患についての臨床研究および基礎研究を行っています。血液疾患は造血器悪性腫瘍を含めて診断、治療法の進歩は目覚ましいものがあります。これは、これまでに積み重ねられてきた多くの臨床研究、基礎研究によりもたらされたものです。しかし、血液疾患の中には依然として難治性疾患が数多く存在しており、多くの課題が残されています。
日常の臨床の中に多くの研究テーマが存在しており、患者さんを診ていく中で、「どうしてこの病気がこの患者さんに起こったのか?」「なんで同じ治療をしているのに患者さんによって効果がまちまちなのか?」といった多くの疑問が生じてきます。中には当たり前だと思っていたことが実はそのメカニズムがよくわかっていないということも結構あります。疑問を持った時には、それはよくあることだよという言葉に惑わされずにそれを追究し、それを明らかにしていくことが研究の本質と考えています。
当科では、各医師が自分の興味に基づいて、以下のようなテーマのもとに研究を行っています。
具体的に行われている主な研究テーマ
1. 免疫不全患者におけるウィルス感染症
2. 造血幹細胞移植後の急性肺障害の発症機序
3. 造血幹細胞移植におけるNK細胞の役割
4. 新しい細胞療法の開発研究
5. 造血器悪性腫瘍における遺伝子異常の臨床的意義の解明
6. 骨髄異形成症候群の分子病態の解明
7. 骨髄増殖性腫瘍の病態解明
8. 多発性骨髄腫の病態解明
9. 悪性リンパ腫の予後予測因子の探索
10. KIR多型とHLAの組み合わせが血液疾患の予後に及ぼす影響についての解析
11. 免疫性血小板減少症の臨床的特徴と病態解明
12. 全国データを用いた造血幹細胞移植成績の解析
現在研究室で行っている実験手法
?細胞?組織培養
?遺伝子塩基配列決定
?次世代シークエンサーを用いた解析
real-time PCR法
?遺伝子導入実験
?プロテオミクス解析
?動物実験
?蛋白解析
?フローサイトメトリー