本態性振戦(経頭蓋超音波)
ふるえ(本態性振戦)について
本態性振戦とは、明らかな原因がない(本態性)のにふるえ(振戦)がある状態を指します。
パーキンソン病などでもふるえは出現しますが、このような原因が明らかなもの(パーキンソン病)は、本態性振戦といいません。本態性振戦は、高齢者に多くみられ,40歳以上では4% 65歳以上では15%以上あるといわれています。また10~30歳台にも見られ、長期的にふるえが悪化する可能性があります。
本態性振戦は、ふるえの症状の重症度により、治療が異なります。軽度で、日常生活動作に及ぼす支障が軽微な場合には内服加療や経過観察が行われます。一方、ふるえにより、書字や食事が困難になっている重症例では、視床の一部分を破壊することでふるえを止めることができます。一般的に、本態性振戦のふるえは、発症から時間経過とともに増悪していく場合が多く見られます。また、手以外にも、足や頭部、体幹などにもふるえは出現することがあります。
ふるえに対する手術には、視床の一部分を破壊または電気刺激する方法、ガンマナイフや集束超音波などにより切らずに視床破壊をする方法などがあります。当施設では、それらの治療方法すべてを有しており、患者様の背景に応じて、最も安全で効果的な治療方法を提供することができます。
MRI誘導 経頭蓋収束超音波による本態性振戦の治療?臨床研究
薬物治療で十分な効果のない本態性振戦(手のふるえ)に対しては従来から脳の手術治療が行われてきました。MRI誘導 経頭蓋収束超音波治療は手術ではなく頭部外から脳に超音波をあてて切開などの手術なしに脳に治療を加えるという方法です。現在は臨床研究の段階です が、海外では約70人、国内では15人の方が治療を受けられ、良好な経過をたどっています。
詳細については下記をご覧ください
http://ttaira.my.coocan.jp/
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000018386&language=J