薬剤管理指導業務
28の病棟と8つの集中治療室に担当薬剤師を配置し、医薬品の適正使用に貢献します。
薬剤部では、ユニットを含めた全病棟を大きく6つのグループに分け、下記の業務をグループ単位で行うことにより絶え間なく医薬品の適正使用に貢献しています。薬剤師はいずれかのチームに所属し、ジェネラリストとしてチームに割り振られた中央業務(調剤室?入退院支援センター?試験薬管理室?DI室?物流管理室?製剤室?PET?注射調製室)も兼務します。困っている症例や全員に周知しておきたい症例については、週1回行われる臨床カンファで情報共有し、DI室も参加して業務を実施する上で必要な情報の共有を行っています。TDMについては、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)担当薬剤師の支援のもと、各病棟担当薬剤師が医師に投与計画の提案を行います。
臨床薬剤業務のグループ
グループ | 中央業務 | 臨床薬剤業務 |
---|---|---|
A | 調剤室 | 腎臓?糖尿病 |
B | 薬品管理室(OPE)?PET | 救命?集中治療 |
C | 入退院支援センター | 小児?周産期 |
D | DI室?試験薬管理室 | 腎移植?精神 |
E | 物流管理室?製剤室?PET | 循環器?消化器?脳 |
F | 注射調製室 | 化学療法?緩和ケア |
主な業務内容
- 持参薬の確認及び電子カルテへの登録
- 入院患者のアレルギー歴?副作用歴?服薬状況の確認
- 服薬指導と副作用のモニタリング
- 処方鑑査による医薬品の適正使用
- 医療スタッフへの医薬品情報提供
- 規制医薬品を含む医薬品病棟在庫の適正管理
- TDMの実施
TDM業務
適切な投与設計で有効かつ安全な治療に貢献します。
抗菌薬の効果を最大限かつ副作用の発現を最小限にするために、抗菌薬のTDMと投与設計を積極的に行っています。病棟担当者が病棟業務の一環としてTDM業務を行っており、TDM担当者と連携を取りながら、抗菌薬の適正使用のためにTDM症例全体の管理を行っています。特に画一的な投与量では至適血中濃度のコントロールが困難な高齢者や、腎機能低下、循環動態が不安定で、血中濃度の変動が大きい患者さん、血液浄化療法を受けている患者さんは集中的に管理しています。そのために感染症科医師、細菌検査技師らとの情報共有や協力は欠かせません。血中濃度を介して治療効果や副作用など、患者さんの病態をモニタリングすることを心がけています。
薬物動態シミュレーションプログラム ClinKinetics-K ダウンロード 35.6MB
ベッドサイドでの簡便な初期投与設計?投与変更 PK Calc Sheet ダウンロード 3.41MB
手術部薬剤管理
手術室における薬剤管理に貢献します。
東京女子医科大学病院では中央手術室(2002年9月~)、西病棟手術室(2003年12月~)にサテライトファーマシーを開設し、薬剤師が日勤時間帯に各1名常駐しており、現在は5名の薬剤師が担当しています。
薬剤師が手術室に常駐する意義
- 麻薬、筋弛緩薬などの毒薬、向精神薬、麻酔薬などの習慣性医薬品の使用頻度が高い
?厳重な医薬品管理 - 医療技術の進歩、高齢化に伴い、合併症を有する手術患者が増加
?医薬品適正使用の推進、医薬品情報提供の充実
業務内容
- 医薬品管理
- 麻酔用医薬品セットの払い出し?管理
- 施錠管理薬の使用量?残量?空容器の確認
- 品質管理?在庫管理
- 医薬品適正使用の推進
- 医薬品の適正使用(投与量?禁忌?適応外使用等)に関する情報を医療スタッフに直接提供する。
- 新規購入薬、消毒薬、副作用、アレルギー等に関する情報提供を迅速に行う。
- 新規購入薬採用時や後発医薬品への変更、外観変更時には朝礼で医療スタッフに伝達する。
入退院支援センター
入院後の安全な医療に貢献します。
看護師、薬剤師、医療事務で構成された入退院支援センターでは、 患者さんが安心して入院生活を送れるよう入院前からが患者さんの診療を支援しています。
薬剤師はアレルギー歴や使用薬剤の確認を行い、手術前に中止しなければならない薬剤を医師に情報提供することで安全な医療に貢献しています。
在宅医療
安全かつ円滑な在宅医療に貢献
薬剤部では主に
- HPN(在宅中心静脈栄養法)の無菌調製
- 麻薬製剤の携帯型ディスポーザブル注入ポンプへの無菌調製
の業務を行っています。
在宅医療専門の薬剤師は、院内外の医療従事者の調整役として保険薬局との薬薬連携に力を注いでいます。
在宅療養に適した処方メニューの提案や薬剤サマリの作成を通して薬局薬剤師へ速やかに情報提供し、患者さんが円滑に在宅移行できるよう努めています。