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のうきょう

膿胸

膿胸とは、胸腔内に膿性液が貯留した状態です。早期のドレナージと抗菌薬投与、および手術が治療の基本となります。気管支、肺との間に瘻孔を生じた場合、有瘻性膿胸と呼び、より複雑な治療が必要となることがあります。

高齢者や糖尿病、免疫抑制剤服用者など、易感染性の患者に胸水貯留と発熱などを認めた場合、本疾患を疑う必要があります。

急性膿胸の治療において重要な点は、早期のドレナージと抗生剤投与です。つまり、できる限り早く治療を開始することが鍵になります。ごく初期には前述の保存的治療で軽快することがありますが、膿胸腔にフィブリンによる隔壁が形成された場合、十分なドレナージ効果が得られなくなります。この場合、手術により膿胸腔を一腔化し、適切な位置にドレーンを留置する必要があります。当科では、急性膿胸に対して、低侵襲な胸腔鏡下掻爬術を行っており、全身上状態が悪い膿胸患者にとっては、メリットが大きいと考えています。また、急性の有瘻性膿胸に対しても、胸腔鏡下に部分広背筋弁を充填し、良好な結果を得ています。

一方、慢性膿胸では、肺結核や真菌などによるものが多く、難治性です。手術は開窓術や胸郭形成、大網や筋弁を用いた充填術が必要となってきます。肺癌が呼吸器外科の主流になった現在では、これらの慢性感染症に対する手術を行っている病院は多くありませんが、当科には治療経験豊富な医師が在籍しております。

〒162-8666 東京都 新宿区 河田町8-1 
tel : 03-3353-8111(大代表)
東京女子医科大学病院
呼吸器外科(東京女子医科大学 呼吸器外科学講座)

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