漏斗胸は前胸部が陥凹する疾患です。軽度であれば症状はありませんが、陥凹がひどい場合は肺や心臓が圧迫され、心電図異常、壁運動の低下、弁膜症等の症状が見られることもあります。呼吸機能も拘束性障害の所見を示すことがあります。
陥凹がある程度以上ある場合は手術の対象となります。当科では歴史的に漏斗胸手術を多数施行しております。術式としては、歴史的には前胸部に皮膚切開をおく胸肋挙上術、胸骨翻転術を多く施行してきましたが、近年はペクタスバーという金属プレートを側胸部の傷から挿入し胸の陥凹部を裏側から挙上するナス法という術式を中心に施行しています。
バー挿入から3年程度でバーを抜去する必要があるため本法は2回の手術が必要となります。