画像診断学
院内で発生する検査画像の内、単純X線撮影、マンモグラフィー、超音波、CT、MRI、血管撮影の読影を行っている。読影は、完全フィルムレスとなっており、モニター診断のための充実した読影環境が整備されている。読影用端末からFDG/PETなどの融合画像の作成やSUV値測定、3D画像の作成や観察などを行うサーバーがリモートで操作可能であり、読影中リアルタイムでこれら画像処理を行い参照している。
レポートの作成では、重要症例、ティーチングファイルの管理も行え、部門内や他科とのカンファレンスにも活用している。またこのシステムは、学生?若手医師の教育に応用できることも十分考慮されており、効率良い学習を可能としている。読影所見の入力は、トランスクライバー3名が常在しており、ディクテーション、AmiVoiceによる音声入力、タイピングの3系統の選択が可能である。
遠隔画像診断による地域医療への貢献
東日本大震災の影響のため、検査件数が大幅に増加した福島県いわき市の常磐病院からの要請により、教室では2012年に遠隔画像診断システムを立ち上げた。他の診療科では、直接病院に赴き手術を行ったり、外来診療を行ったりして支援を行っているが、大学から遠距離の病院への支援にはおのずと限界がある。しかし、放射線科医はモニター診断が通常となった現在、社会的インフラの整備により、遠隔画像診断による支援が日常的に行えるようになってきた。現在教室では常磐病院との間にNTTの高速専用回線(100Mb/s)を設置し、高速でかつ最もセキュリティーの高い状況で、画像診断による地域医療への貢献を行っている。