MRI(磁気共鳴画像)
現在MRIは6台稼動しており、磁場強度の内訳は3テスラが2台で、1.5テスラが4台である。1か月に約2,000件の検査をしている。通常の検査のほかに、MRスペクトロスコピー、functional MRI といった機能的画像の臨床応用や腹部領域の拡散強調画像、脳神経外科などの治療計画用の撮影などにも活用している。
また循環器領域では、Gd造影剤を使用した遅延造影像やPhase- contrast法を用いた狭窄部位の血流速度計測、Whole Heart Coronary MRAなどのMRIを駆使した低侵襲の循環器画像診断について、幅広い知識の習得と理解が可能である。
DTI
拡散テンソル画像とは、水分子の拡散の異方性(diffusion anisotropy)を利用した撮影法である。脳においては髄鞘が存在することで水分子の拡散の異方性が顕著に生じるため、拡散テンソル画像によりさまざまな方向に走行する神経線維を描出することが可能である。 当院で稼働している3T MRI装置では、神経線維の拡散の異方性を32軸のMPG (motion probing gradient) pulseを印加することができ、鮮明な画像を得られる。
FA (fractional anisotropy) map
神経線維が走行する方向にあわせカラー表示することが可能である。
(頭尾方向:青、左右方向:赤、前後方向:緑)
MR tractography
拡散テンソル画像よりtractographyとして神経線維を3次元的に描出することができる。左運動野近傍の脳腫瘍の症例であり、腫瘍と錐体路の相互位置関係が把握可能である。
心臓MRI
前壁心筋梗塞例
前壁心筋梗塞を発症し左前下行枝にステント留置。慢性期での心臓MRI。
前壁中隔から心尖部にかけて壁菲薄を認め、造影欠損と著明な遅延造影を認める。
(心筋パーフージョン)
(遅延造影 四腔像)
(遅延造影 短軸像)
肥大型心筋症例
心臓超音波で肥大型心筋症を疑われ、心臓MRIを行った。
前壁中隔基部側に著明な肥厚を認め、肥厚心筋内に遅延造影を認める。
(シネMRI 短軸像)
(遅延造影 短軸像)
(シネMRI 三腔像)
(遅延造影 四腔像)
心臓サルコイドーシス例
心不全で入院。心室性不整脈が頻発しており心臓サルコイドーシスが疑われ、心臓MRIを行った。
左室拡大を認め、心筋の広範囲に外膜優位の遅延造影を認める。
(シネMRI 四腔像)
(遅延造影 横断像)
(遅延造影 短軸像)