患者さまへ

バセドウ病

バセドウ病の原因

甲状腺機能亢進症の代表的なものがバセドウ病です。慢性甲状腺炎(橋本病)とともに、自己免疫の異常による病気です。我々のからだに細菌やウイルスなどの外敵が侵入するとリンパ球などの免疫を担当する細胞がこれらの外敵を見つけて攻撃して排除します。しかし、自分自身の属する組織は外敵ではありませんので通常はリンパ球が攻撃することはありません。しかし、この免疫系に異常がおきるとリンパ球は自分の属するからだの組織を異物とみなして攻撃することがあります。これが自己免疫病とよばれるもので、リウマチ様関節炎など多くの疾患がありますが、バセドウ病もその一つです。正常な人と異なり、バセドウ病の患者さんのリンパ球は甲状腺細胞TSH受容体に対する自己抗体を産生します。この抗体はTSAb(甲状腺刺激抗体) と呼ばれていますが、この抗体はTSHと同じように甲状腺細胞を刺激して過剰に甲状腺ホルモンが分泌されてしまいます。

バセドウ病においてはTSH受容体に対する抗体である甲状腺刺激抗体が甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの過剰分泌を生じます。このため、正常人では甲状腺を刺激し、ホルモン分泌調節を行っているTSHの血中濃度は極めて低値となります。

男性にもありますが女性に数倍多く、特に若い女性に多い病気です。この病気自体は遺伝するものではありませんが、なり易い素質はあるようです。 発病のきっかけは不明なことが多いですが、過労やストレス、出産などが引き金になることが多いと言われています。