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研修体験報告

修了式挨拶

研修医だより:初期臨床研修を終えて <修了式修了生挨拶>

平成17年4月採用

臨床研修医第2期生
戎野沙織

 春のやわらかな日差しが感じられる今日この頃です。不安と期待とが入り交じって始まった卒後臨床研修も、今日無事に修了式を迎えることとなりました。今までの学生生活とは違い、実際に研修医としての病棟生活は慣れない事が非常に多く戸惑いの毎日でした。

研修医として様々な科を回り、1ヶ月という短期間だけ滞在する科もありました。それぞれの科で、一週間の流れやルールが全く違うので、毎回慣れるまでに時間がかかり大変な思いをしました。しかし私たち以上に、毎月かわるがわるくる研修医の名前や顔を覚え、一から指導してくださった先生方の御苦労を思うと感謝の気持ちでいっぱいです。
 この2年間の研修で、各科で多くの先輩医師、コメディカルの方々、そして患者さんたちとの出会いがあり、医療に関してだけでなく、人間性なども含めいろいろなことを学ぶことができました。一人の患者さんを受け持ち、毎日顔を合わせ、治療にたずさわっていく。患者さんにもいろいろな病気の受け止め方や個性があり、毎日の会話ですら難しいこともありました。どんな難しい病態、病状の方を受け持っても逃げ場はなく、とことん治療に専念するというのは、想像以上に困難が伴うものでした。
 また、当直というものも、研修医になって初めて行いましたが、夜間どんなに忙しく眠れなくても、翌日はいつも通り日中の業務があり、2年たった今でも慣れることなく、翌日は眠い目をこすりながらの研修を送っています。この2年間で厳しい労働環境にたえられる体力も大いに身に付いたと思います。よく『心技体』といいますが、医師には患者さんやそのご家族を思いやる心、日々研鑽された知識や技術、そして体力も必要だということをこの2年間の研修を通じ強く思いました。研修が大変で、時には逃げ出したいと思うこともありましたが、同じ科を回っている同期と愚痴をこぼしあい、支え合って、皆の力で乗り越えることができました。この2年間で素晴らしい仲間を得られたことも、今後の長い医療の場で大きな糧となることでしょう。
 私たちが2年目になってから、研修医会というものが発足しました。残念ながら発足1年目ということもあり、役員会の仕事は全般的に浸透しておらず、毎月、役員会を開き、話し合いをしておりましたが、あまり活発な活動がなされないままに引き継ぐことになってしまったのも事実です。今後はもっと自分たちで目標をもって活動し、よりよい充実した研修生活を送れるように後輩に期待したいと思います。近年、医療訴訟などのニュースが多く報道されており、そのような中で医療を続けていくことは様々な困難を伴うものだと思いますが、その現実を真摯に受け止め、よりよい医療を提供していくことが私たちの使命であることを認識し、毎日励んでいきたいと思います。
 毎日の業務で疲れ切った心には研修センターは癒しの場でした。そこで同期に相談し、時にはスタッフの方に愚痴を聞いていただいたこともありました。私たちの学年は提出物が遅く、いろいろとご迷惑をおかけしました。それでもいつも声をかけてくださり、私たちが快適に研修生活を送れるようご尽力いただき本当にありがとうございました。
 4月からそれぞれ選んだ道を進むことになりますが、女子医大の高水準の医療技術の中で学んだことを忘れずに、質の高い医療人を目指してこれからの長い医師としての人生に役立てていきたいと思います。今後、ますます女子医大の卒後臨床研修が充実し発展していくことを期待しております。

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