あらためて振り返ってみれば、あっという間の二年間でした。弥生記念講堂においてオリエンテーションを受けたのがつい昨日のことのように思い出されます。「一刻も早く病棟に出たい」「さあこれからだ」と思ったのもつかの間でした。颯爽と病棟を歩き回る姿を思い描いていたはずが、いざふたを開けてみれば、ひとりでは血管留置針も刺せない、指示も出せない、睡眠導入剤すら出せないなど、ないない尽くしの現実の自分に嫌気がさす毎日が待ち受けていました。はやく先輩方のように働けるようになりたい、心の底からそう思いました。そのようななか、何もわからないローテーターの私たちに、いやな顔ひとつせず、忙しい業務の合間をぬって、時間を惜しむことなく懇切丁寧にいろいろなことをご指導下さった先生方には、どんなに感謝しても感謝し足りないという気持ちがこみ上げてきます。
　私はこの一年間、研修医会の活動に微力ながら携わってまいりました。今は研修医の当直環境改善がテーマです。なかでも一番の問題は研修医用の当直室の確保です。当直にあたり、研修医当人の体力や精神面への配慮も必要です。しばしの休息場所を探し得ない体験に、問題解決の必要性を考えさせられました。残念ながら私たち研修医会の活動で、形となって改善された点はまだありません。そして、研修医から提案するにしても、我々自身の社会人としてのモラルが厳しく問われるということも改めて認識させていただきました。今後も、ともにスタートした研修医全員が2年間を大過なく無事に務め上げることができるよう、研修医会がサポートしていけたらと思います。
　この四月から私たち修了生は、それぞれが新たな道に踏み出すこととなります。当院での二年間にわたる初期研修で学んだことを糧に、常に初心を忘れず、今後もさらに精進してまいりたいと思います。
　最後になりましたが、私どもが研修を行うにあたって丁寧にご指導をくださった病棟の先生方、卒後臨床研修センター長高野教授、早川係長を始めとする研修センターの皆様に、研修生一同を代表して心からの感謝を申し上げます。この2年間本当にありがとうございました。